小規模事業者持続化補助金<共同・協業型>とは?補助額・対象・申請方法を徹底解説

次のようなお悩みをお持ちの経営者の方には、「小規模事業者持続化補助金<共同・協業型>」 がオススメです!

  • 地域の事業者同士で協力し、販路を広げたい
  • 異業種とコラボして新しい商品・サービスを生み出したい
  • 商店街や業界団体でまとまってプロモーションを行いたい
  • 展示会や物販イベントを通じて、地域の事業者の魅力を広めたい
  • 地域の支援機関として、複数の小規模事業者を包括的に支援したい

複数の小規模事業者で協力して新たな販路を開拓したい、あるいは地域振興機関の支援を受けながら大規模なマーケティングを展開したいと考えている事業者にとって、大きな支援となるのが「小規模事業者持続化補助金<共同・協業型>」です。

本コラムでは、共同・協業型の概要から一般型(通常枠)との違い、補助額、対象要件、申請の流れまでを分かりやすく徹底解説します。

小規模事業者持続化補助金<共同・協業型>とは?

「小規模事業者持続化補助金<共同・協業型>」は、地域の小規模事業者が互いに足らざる経営資源を補い合い、共同・協業して商品やサービスの販路開拓に取り組む事業を支援するための補助金制度です

商工会や商工会議所、事業協同組合などの「地域振興等機関」が中心となり、複数の小規模事業者(参画事業者)を束ねて、商品の改良やブランディング、展示会出展などの販路開拓をワンストップで支援する点が大きな特徴です。

単なる一時的なイベント開催ではなく、事業終了後も参画事業者が自走して売上拡大や生産性向上を実現できる体制づくりを目指しています。

例えば、以下のような取り組みが対象となります。

  • 地元の事業者が合同で新ブランド商品を開発・発信
  • 商工会が主催し、小規模事業者を集めた展示会を開催
  • 地域全体での観光商品パッケージの販売・PR
  • 金融機関が主導し、参画事業者の販売支援体制を構築

共同・協業型と一般型(通常枠)の違い

小規模事業者持続化補助金で広く知られているのは、個別事業者が申請する「一般型(通常枠など)」です。大きな違いは「申請主体」「参画人数」「補助上限額」です。

比較表

項目一般型(通常枠)共同・協業型
主な申請主体小規模事業者(単独)地域振興等機関(商工会・組合・支援法人等)
参画事業者数1社5者以上の小規模事業者
補助上限額50万円(枠により最大250万円)最大2,000万円〜3,000万円
主な目的単独での店舗・自社商品の販路開拓共同での商品開発・ブランディング・大型販路開拓

個別で着実に販路を広げたい場合は一般型、複数の事業者でまとまって大きなマーケティングやブランド化を推進したい場合は共同・協業型が適しています。

あわせてご覧ください

小規模事業者持続化補助金<一般型>の解説コラム

【第20回小規模事業者持続化補助金】ウェブ制限撤廃でHP制作のチャンス!理由と活用法

補助対象者・申請できる事業者

共同・協業型では、「申請を行う者(申請主体)」と「実際に共同で事業に取り組む事業者(参画事業者)」にそれぞれ要件が定められています。

申請主体

本事業の申請者となれるのは、地域に根付いた企業の販路開拓を支援する「地域振興等機関」です。具体的には以下のいずれかに該当する法人です。

  1. 商工会・商工会議所
  2. 都道府県中小企業団体中央会
  3. 商店街振興組合・商店街振興組合連合会
  4. 事業協同組合などの法人化されている組織
  5. 地域の企業の販路開拓につながる支援を事業として行っている法人(※過去の実績等により審査判断されます)

※複数の地域振興等機関が共同で実施する場合は、代表機関を定めて申請します。

参画事業者の要件

地域振興等機関の支援を受けて事業に取り組む小規模事業者(参画事業者)は、以下の要件を満たす必要があります。

  • 人数の定義(小規模事業者であること):
    • 商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く):常時使用する従業員数 5人以下
    • サービス業のうち宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員数 20人以下
    • 製造業その他:常時使用する従業員数 20人以下
  • 参画可能事業者: 会社・営利法人(株式会社・合同会社等)、個人事業主(商工業者)など
    • ※医療法人、NPO法人、未開業の創業予定者、任意団体などは対象外です。
  • 主な共通要件:
    • 大企業(資本金5億円以上等)の100%子会社でないこと
    • 直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
    • 過去の持続化補助金<共同・協業型>第1回・第2回で採択された事業に参画していないこと

補助対象事業

補助対象となるのは、地域振興等機関が主体・中心となり、参画事業者の「商品開発・ブラッシュアップ」「ブランディング」「販路開拓」をワンストップで一貫支援する取り組みです。

本補助金では、具体的に以下の3つの取組タイプのいずれか(あるいは組み合わせ)で事業を構成し、評価指標を設定します。

  • 商品開発・ブランディング
    • 参画事業者の商品・製品・サービスのデザイン改良、ブランディング支援、生産・供給体制の向上支援などを一体的に実施。
  • 展示会・商談会の取組
    • バイヤーや購買担当者との商談を目的とした展示会・商談会(主催または他者主催への出展)。
    • ※原則、参画事業者自らが参加する必要があります。
  • 催事販売の取組
    • 参画事業者の商品・製品の物販会や即売会(主催または出展)を通じて売上高増加を目指す取り組み。
  • 販売拠点構築の取組
    • ターゲット層に向けて販売を行う拠点を構築・維持する取り組み。(※原則1拠点につき90日以上の稼働が必要)

補助対象経費・補助額

補助金額は、参画する小規模事業者の数によって上限が変動します。

補助率と補助上限額

区分補助上限額補助率
参画事業者が10者以上3,000万円原則 2/3以内
(※一部経費は定額補助)
参画事業者が5者以上9者以下2,000万円原則 2/3以内
(※一部経費は定額補助)

主な対象経費

補助対象となる経費区分は以下の通りです。

  • 謝金(定額):専門家への助言・謝礼等
  • 地域振興等機関旅費(定額) / 参画事業者旅費(2/3以内)
  • 借料(2/3以内):会場借上費等
  • 設営・設計費(2/3以内):ブース設営や内外装費等
  • 展示会等出展費(2/3以内)
  • 広報費(2/3以内):チラシ・パンフレット・Web広告等
  • 備品費・印刷製本費・委託外注費(一部上限・条件あり)

※参画事業者が本来負担すべき経費を考慮し、主要経費は補助率2/3に設定されています。

申請方法・申請の流れ

申請は補助金申請システム「Jグランツ(J-Grants)」による電子申請で行います。

【STEP 1】GビズIDプライムアカウントの取得
└※取得までに数週間かかる場合があるため早期準備が必須(暫定アカウント不可)

【STEP 2】事業計画・関係書類の準備
└地域振興等機関と参画事業者(5者以上)で計画書・支出計画を作成

【STEP 3】Jグランツからの電子申請
└締切日時(17:00厳守)までに申請書類一式を送信

【STEP 4】審査・採択発表
└書面・内容審査を経て採択事業者が公表されます

【STEP 5】交付申請・交付決定・補助事業実施
└交付決定を受けてから本格的な事業・発注・事業実施スタート

採択されやすい事業計画のポイント

共同・協業型は、単一の事業者が申請する一般型と異なり、「地域振興等機関が複数の小規模事業者を束ねて自走を促す体制ができているか」が厳しく審査されます。採択率を高めるために押さえるべき重要ポイントは以下の4点です。

1. 参画事業者全員への「ワンストップ支援」が具体的に描かれているか

単に「展示会に出展して終わり」「物販イベントを開催して終わり」といった場所の提供だけでは採択されません。

  • 開催前の商品ブラッシュアップやデザイン改良
  • 当日の商談・接客の実施
  • 終了後のフォローアップや取引・手続のサポート

これら一連の取り組みがワンストップで計画されていることを明確に示す必要があります。

2. 「自走化(補助事業終了後の継続性)」のロードマップがあるか

本補助金の大きな目的は、事業終了後も参画事業者が自力で販路開拓できるノウハウを獲得することです。補助期間が終わった後、参画事業者がどのように自立して売上拡大や生産性向上を維持していくのか、地域振興等機関がどのようなフォローアップ体制を継続するのかを具体的に記載しましょう。

3. 客観的で根拠のある「評価指標(目標数値)」の設定

取組タイプ(展示会、催事、販売拠点)ごとに決められた評価指標(新規リーチ数、商談数、新規取引先数、営業効率など)に対して、過去の実績や市場調査に基づいた合理的・具体的な目標建付けが必要です。「なんとなくの達成可能そうな数字」ではなく、積算根拠を提示することが説得力を高めます。

4. 連携による「相乗効果(シナジー)」が明確か

「なぜこの5者(あるいは10者以上)で組む必要があるのか」というストーリー性が重要です。互いの強みや経営資源を補完し合うことで、1者単独では実現できない大きな価値(地域の魅力向上、クロスセル効果、大型商談の獲得など)が生まれる構造をロジカルに説明しましょう。

活用事例(商店街・地域ブランド・展示会など)

共同・協業型補助金がどのように活用されているか、代表的な3つのシナリオ事例をご紹介します。

事例1:商店街振興組合による「地域ブランド化&催事販売」

  • 申請主体: 商店街振興組合
  • 参画事業者: 商店街内の和菓子店、洋菓子店、ベーカリー、カフェなど6者
  • 取組内容: 地域の特産品を使った共同スイーツブランドを開発。パッケージデザインやWebプロモーションを一括して実施し、首都圏の大型商業施設で「期間限定のポップアップ催事」を開催。
  • 成果と継続性: 合同プロモーションにより個店単独では出店できない人気商業施設での販売を実現。催事終了後も開発した共同ブランド商品を各店舗の定番商品として継続販売し、自社ECサイトへの導線を確保しました。

事例2:事業協同組合による「特産品メーカーの合同展示会出展」

  • 申請主体: 地選品事業協同組合
  • 参画事業者: 地元の食品加工メーカー(調味料、缶詰、水産加工品等)12者
  • 取組内容: 専門家を招いてバイヤー目線での商品パッケージ改良・FSSC/HACCP等の情報整理を実施。その上で、国際的な大規模食品展示会に「地域合同パビリオン」として共同出展。
  • 成果と継続性: 商談件数・新規リーチ数を大幅に獲得。出展後の契約交渉手続や輸出対応についても組合がワンストップで伴走支援したことで、複数の参画事業者が大手スーパーや海外バイヤーとの継続取引を成立させました。

事例3:民間支援法人による「アンテナショップ型 販売拠点の構築」

  • 申請主体: 地域マーケティング支援事業者(民間法人)
  • 参画事業者: 地元の伝統工芸品・雑貨事業者8者
  • 取組内容: 観光地に「参画事業者の工芸品・ライフスタイル商品を展示・販売する常設拠点」を90日以上にわたり開設。ターゲット層(観光客・インバウンド)に向けた店舗デザインと共通販促を展開。
  • 成果と継続性: 実際の接客データや購入者のフィードバックを参画事業者にフィードバック(テストマーケティング)。得られた知見をもとに商品を改良し、拠点稼働終了後も参画事業者それぞれが自社の直営Webショップや既存取引先への提案力を高める結果となりました。

2026年第3回公募スケジュール

公募要領(第3回公募・第5版)が公開されています。スケジュールに余裕を持って書類準備を進めましょう。

  • 申請受付開始日: 令和8年(2026年)8月14日(金)
  • 申請受付締切日: 令和8年(2026年)9月30日(水)17:00まで
  • 採択発表時期: 令和8年(2026年)11月頃予定
  • 補助事業実施期限: 交付決定日 〜 令和9年(2027年)12月10日(金)まで

※GビズIDプライムアカウントの取得にはお時間がかかりますので、未取得の場合はお早めにお手続きください。

Q1. 個人事業主でも参加できますか?

A. はい、参加できます。
参画事業者(小規模事業者)として、商工業を行っている個人事業主の方も対象に含まれます。ただし、確定申告を行っている等の事業実態が必要です。

Q2. 商工会が申請しなければいけませんか?

A. 必ずしも商工会である必要はありません。
商工会や商工会議所のほか、都道府県中小企業団体中央会、商店街振興組合、事業協同組合、さらには「地域の企業への販路開拓支援を事業として行っている民間の支援法人」なども申請主体(地域振興等機関)となることが可能です。

Q3. 何社以上必要ですか?

A. 最低「5者以上」の小規模事業者の参画が必要です。
5者〜9者の場合は上限2,000万円、10者以上の場合は上限3,000万円となります。

Q4. 一般型(個人での申請)との併用はできますか?

A. 異なる取り組みであれば検討可能です。
ただし、同一の事業内容で国の他の補助金や助成金を受けることはできません。また、過去に「共同・協業型」の第1回・第2回で採択された事業に参画していた事業者は、本公募(第3回)の参画事業者にはなれませんのでご注意ください。

まとめ

小規模事業者持続化補助金<共同・協業型>は、1者単独ではハードルの高い「大型展示会への出展」「総合的なブランディング」「拠点構築」などを、支援機関とタッグを組んで推進できる非常に手厚い補助金です。

自社の商品力をさらに向上させ、全国や新たな市場へ販路を広げたい小規模事業者様、あるいは地域の企業を一括支援したい支援機関様は、ぜひ活用をご検討ください。