【2026年最新】新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは?統合の背景・公募時期・申請準備を解説
最終更新日:2026年7月21日
2026年度、中小企業向け大型補助金制度として注目されているのが「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」です。
ついに事務局の公式特設サイトがオープンし、第1回公募要領が正式に発表されました。
申請受付は2026年9月30日からスタートし、締め切りは2026年10月30日(金)18時となります。今回の発表に伴い、事前に噂されていた要件の全貌や、申請にあたって新たに必須となった準備(一般事業主行動計画の策定など)が明らかになりました。
本コラムでは最新の確定情報をもとに、徹底解説します。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは?
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、中小企業の成長投資を後押しするために創設される新たな補助金制度です。従来実施されていた「ものづくり補助金」と「新事業進出補助金」の趣旨を引き継ぎながら、より成長志向の設備投資や新市場開拓を支援する制度として位置付けられています。
中小企業を取り巻く環境は大きく変化しており、人手不足や物価上昇への対応だけでなく、新たな収益源の確保が求められています。こうした背景から、単なる設備更新ではなく、生産性向上や新事業展開につながる投資への支援が強化される見込みです。
統合される補助金の概要
統合のベースとなる制度は次の2つです。
- ものづくり補助金
- 新事業進出補助金
ものづくり補助金は革新的な製品・サービス開発を支援する制度として長年活用されてきました。一方、新事業進出補助金は新市場への進出や新規事業立ち上げを支援する制度として創設されました。
新制度では両制度の考え方を取り入れながら、成長投資を一体的に支援する仕組みになると考えられています。
制度創設の背景
近年、中小企業政策は「事業継続支援」から「成長投資支援」へと軸足が移っています。
賃上げ、生産性向上、輸出拡大、DX推進などを実現する企業への重点支援が進められており、新制度もその流れの中で位置付けられています。
スケジュール
公募要領公開日: 2026年6月29日(月)
申請受付開始: 2026年9月30日(水)
申請締め切り: 2026年10月30日(金)18:00まで
採択発表:2027年1月頃(予定)
補助対象となる3つの申請枠
正式に発表された公募要領によると、以下の3つの申請枠(類型)が設けられています。
革新的新製品・サービス枠
新たな製品やサービスの開発を目的とした設備投資を支援する枠です。従来の「ものづくり補助金」の趣旨を引き継ぐ、本補助金のベースとなる申請枠です。
| 従業員規模 | 補助上限額 | 賃上げ特例適用時 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円 | 850万円 |
中小企業:1/2(2/3)、 小規模・ 再生事業者:2/3 |
| 6~20人 | 1,000万円 | 1,250万円 | |
| 21~50人 | 1,500万円 | 2,500万円 | |
| 51人以上 | 2,500万円 | 3,500万円 |
※最低賃金引上げ特例:補助率を2/3に引上げ(小規模・再生事業者は除く。)
新事業進出枠
既存事業とは異なる市場や顧客層へ進出するための投資を支援する枠です。新市場開拓や新分野展開を検討している企業に適しています。
| 従業員規模 | 補助上限額 | 賃上げ特例適用時 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 20人以下 | 2,500万円 | 3,000万円 |
中小企業企業者:1/2(2/3) |
| 21~50人 | 4,000万円 | 5,000万円 | |
| 51~100人 | 5,500万円 | 7,000万円 | |
| 101人以上 | 7,000万円 | 9,000万円 |
※最低賃金引上げ特例:補助率を2/3に引上げ
グローバル枠
海外展開や輸出拡大を目指す企業向けの支援枠です。インバウンド需要への対応や海外販路開拓も対象となる可能性があります。
| 従業員規模 | 補助上限額 | 賃上げ特例適用時 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 20人以下 | 2,500万円 | 3,000万円 |
中小企業企業者:2/3 |
| 21~50人 | 4,000万円 | 5,000万円 | |
| 51~100人 | 5,500万円 | 7,000万円 | |
| 101人以上 | 7,000万円 | 9,000万円 |
従来の補助金との比較
- 革新的新製品・サービス枠
→ 従来の「ものづくり補助金」に近い - 新事業進出枠
→ これまでの「新事業進出補助金」と大きな違いは少ない
と感じられる方も多いでしょう。
実際、個々の要件だけを見ると、制度が大きく変わった印象はありません。
2つの新たな必須・重要要件
2026年6月29日に公開された正式な公募要領において、事前の想定にはなかった非常に重要な必須要件や、具体的な数値要件が明らかになりました。
これらを満たしていない場合、そもそも申請が受け付けられない(要件失格になる)リスクがあるため、必ず事前に確認・準備を進めてください。
1. 【最重要・必須】一般事業主行動計画の策定・公表
今回の公募から、「次世代育成支援対策推進法」に基づく「一般事業主行動計画」を策定し、外部に公表・従業員へ周知していることが明確な申請要件(必須)として追加されました。
- 何をすればいい?: 企業の少子化対策や働き方改革に関する行動計画を策定し、厚生労働省の「両立支援のひろば」などのウェブサイトで外部公表する必要があります。
- 注意点: 策定から公表の手続き、および労働局への届け出には通常1〜2週間程度のタイムラグが発生します。公募締め切り直前に動いたのでは間に合わない可能性が非常に高いため、「今すぐ準備すべきこと」の最優先事項として取り組んでください。
2. 「大幅賃上げ要件」の具体的な数値が確定
各申請枠において、補助上限額を引き上げる(引き上げ特例を適用する)ための「大幅な賃上げ」の条件が、以下の具体的な数値で確定しました。
- 給与支給総額: 事業計画期間内において、年平均成長率 +6%以上 の増加
- 事業場内最低賃金: 地域別最低賃金よりも +50円以上 の水準を達成
これまでの一般的なものづくり補助金(給与支給総額+1.5%以上、最低賃金+30円以上)に比べ、成長投資への支援である分、賃上げに対するコミットメント要求が一段と高く設定されています。
そのため、単に「給料を上げる」という意思表示だけでなく、設備投資によってどのように生産性を高め、この賃上げ原資を確保するのかという「収益計画の妥当性」が厳しく審査されるポイントになります。
なぜ統合する必要があったのか
今回の統合の本質は、補助金の整理ではなく「評価軸の統一」にあります。
これまでの制度では、
- 技術開発なら「ものづくり補助金」
- 事業転換なら「新事業進出補助金」
と、補助金ごとに視点が分かれていました。
一方、統合後は、その投資が
・売上拡大につながるか
・生産性や付加価値を高めるか
・将来的な賃上げを説明できるか
といった共通の成長ストーリーが重視される構造になっています。つまり、「何をやるか」よりも「なぜそれをやるのか」がより強く問われる補助金へと整理されたと考えられます。
採択されるために今から準備すべきこと
統合後の補助金では、設備投資の内容や新事業のアイデアだけでなく、既存事業との関係性、売上・付加価値の伸ばし方、そして人材・賃上げへの波及まで含めた「一貫したストーリー」が重要になります。
公式の公募要領が発表されたいま、申請に向けて具体的に以下の5つの準備を最優先で進めてください。
1. 【最優先】一般事業主行動計画の策定と公表・周知
今回の公募から、「次世代育成支援対策推進法」に基づく「一般事業主行動計画」を策定し、外部公表および従業員への周知を行っていることが必須の申請要件となりました。
- 対応方法: 企業の少子化対策や働き方改革に関する行動計画を策定し、厚生労働省のウェブサイト(「両立支援のひろば」など)で外部公表します。
- 注意点: 策定から公表手続き、労働局への届け出には通常1〜2週間程度のタイムラグが発生します。締め切り直前では間に合わないリスクが非常に高いため、今すぐ最初に着手すべき最優先事項です。
2. 共通の「成長ストーリー」を整理する
審査では設備投資そのものではなく、その投資が企業の成長にどうつながるかが評価されます。「なぜこの投資が必要なのか」「これによりどう生産性が向上し、売上が拡大するのか」をロジカルに説明できるよう、今から社内で事業の棚卸しを進めましょう。
3. 賃上げ計画のシミュレーション(大幅賃上げ要件の検討)
近年の補助金では賃上げ要件が重視されていますが、今回の新制度で補助上限額を引き上げる(引き上げ特例を適用する)ための「大幅な賃上げ」の条件が、以下の具体的な数値で確定しました。
- 給与支給総額: 事業計画期間内において、年平均成長率 +6%以上 の増加
- 事業場内最低賃金: 地域別最低賃金よりも +50円以上 の水準を達成
これまでのものづくり補助金(+1.5%以上)に比べ、非常に高いハードルが設定されています。自社の財務状況を踏まえ、設備投資による生産性向上でこの賃上げ原資を本当に確保できるか、精緻な人件費・収益計画のシミュレーションが必要です。
4. 見積取得を進める
導入を予定している設備やシステムがある場合は、早めに見積取得を進めておきましょう。公募が本格化すると、機械メーカーやITベンダーへの問い合わせが殺到し、見積書の作成に時間がかかるケースがあります。
5. GビズIDプライムのアカウントを確認する
補助金のオンライン申請には「GビズIDプライム」アカウントが必須です。未取得の場合はもちろん、すでに取得済みの企業様も、ログイン情報の確認や、登録されている企業情報(住所や代表者名など)が最新のものになっているかを必ず確認してください。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金はどんな企業に向いている?
次のような企業は活用を検討する価値があります。
- 新製品を開発したい
- 新サービスを立ち上げたい
- 新市場へ進出したい
- DX投資を進めたい
- 生産設備を更新したい
- 海外展開を進めたい
特に設備投資と新規事業を組み合わせた成長戦略を検討している企業との相性が良い制度といえるでしょう。
申請をご検討中の方へ
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、最大クラスの予算規模である一方、求められる事業計画の質も高くなります。「自社が対象になるか分からない」「何から始めたらいいか迷っている」という方は、まずは一度ご相談ください。
- 補助対象の要件に自社が当てはまるか知りたい
- 導入予定の設備・システムが補助対象になるか確認したい
- 独自の事業内容で採択される可能性(実現性)を相談したい
- 審査で高く評価される事業計画書の作成・サポートを依頼したい
上記のようなお悩みや、少しでも気になる点がございましたら、まずはお気軽にご相談ください。
【初回相談は1時間無料】 貴社の事業内容や導入検討中の設備をお伺いし、補助金が活用できるかプロの視点で診断いたします。
採択率を高めるために専門家へ早めに相談すべき理由
新制度は公募開始直後から申請が集中する可能性があります。
また、補助金審査では単に設備を導入するだけではなく、市場分析、成長戦略、収益計画、賃上げ計画などが総合的に評価されます。
そのため、公募開始を待つのではなく、事前に事業計画の方向性を整理しておくことが重要です。
当社の補助金コンサルティングのご案内
当社では新事業進出補助金やものづくり補助金の申請支援実績をもとに、新制度への対応準備をご支援しています。制度の対象となるか確認したい方や、設備投資計画の整理から相談したい方はお気軽にお問い合わせください。
▼サポートの流れなど詳しくはこちらをご覧ください
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よくある質問
Q. 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金はいつ公募されますか?
A. 第1回公募は2026年6月29日(月)に公募要領が正式公開されました。
申請受付は2026年8月31日(月)からスタートし、応募締め切りは2026年9月30日(水)18:00までとなっています。準備期間が限られているため、早めの動向が鍵となります
Q. 一般事業主行動計画の策定・公表は本当に必須ですか?
A. はい、今回の公募から明確な申請要件(必須)となりました。
「次世代育成支援対策推進法」に基づく行動計画を策定し、外部(厚生労働省の「両立支援のひろば」など)に公表・従業員へ周知している必要があります。手続きには1〜2週間かかる場合があるため、最優先で対応してください。
Q. 補助上限が引き上がる「大幅な賃上げ」の具体的な条件は?
A. 以下の2つの数値をクリアする計画を策定・表明する必要があります。
- 給与支給総額が事業計画期間内に年平均成長率+6%以上増加すること
- 事業場内最低賃金が地域別最低賃金+50円以上の水準であること
従来のものづくり補助金(+1.5%以上)に比べて高いハードルが設定されているため、精緻な収益シミュレーションが必要です。
Q. 従来の「ものづくり補助金」や「新事業進出補助金」はなくなってしまったのですか?
A. なくなるわけではなく、2つの制度の趣旨が「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として一つに統合・再編されました。
革新的な開発を支援する「革新的新製品・サービス枠」や、新市場への進出を支援する「新事業進出枠」など、それぞれの特徴を引き継いだ申請枠が用意されています。
Q. 新規事業(新しい分野への進出)でなくても申請できますか?
A. はい、申請可能です。
既存事業の枠組みであっても、技術的な革新性のある製品やサービスの開発を目的とした設備投資であれば、「革新的新製品・サービス枠(旧ものづくり補助金に近い枠)」を活用して申請することができます。
まとめ|第1回公募が開始された「今」だからこそ、即座の行動が採択への最短ルート
2026年度の大注目制度である「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」は、これまでの2つの大型補助金が統合され、中小企業の成長投資を力強く後押しする過去最大クラスの支援策として、ついにその全貌が明らかになりました。
しかし、制度が統合されたことで、審査では単なる設備の導入目的だけでなく、「その投資がどのように企業の成長や賃上げ、付加価値の向上につながるか」という一貫した成長ストーリーがより厳しく評価されるようになります。さらに、今回必須となった「一般事業主行動計画の策定・公表」など、手続き面でも事前の根回しが不可欠となりました。
9月30日の申請締め切りに向けて、公募要領が公開された「今」から一刻も早く準備を進めることが、採択率を極限まで高めるための最大のポイントです。
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