【2026年公募開始】グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(大型実証・非ASEAN加盟国)を解説

2026年6月1日より、「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(大型実証・非ASEAN加盟国)」の公募が開始されました。本補助金は、日本企業がグローバルサウス諸国で実施する大型実証事業を支援する制度です。GX、DX、経済安全保障分野を中心に、現地課題の解決と日本企業の海外展開を後押しすることを目的としています。

次のような事業者に紹介したい補助金制度です。

補助上限額が大きく、海外実証事業を計画する企業にとって注目度の高い制度です。

本コラムでは、公募スケジュールや対象事業、申請のポイントについて解説します。

▶ 令和8年度概算要求から読む ― 海外展開支援とグローバルサウス戦略 で解説しています。

本コラムでは、「グローバルサウス未来志向型共創等事業」について解説します。

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グローバルサウス未来志向型共創等事業とは?

グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金は、経済産業省が実施する海外展開支援の補助金で、日本企業とグローバルサウス諸国との協業・共創事業を後押しするものです。

GX、DX、経済安全保障といった分野において、技術提携、共同開発、現地市場向け製品開発、販路開拓、人材交流、海外拠点設立などの取り組みを支援します。

海外展開に伴うリスクを軽減しながら、日本の強みを活かした国際的なビジネス連携を促進することを目的としています。

グローバルサウスとは何か

「グローバルサウス」とは、従来「途上国」と呼ばれてきた地域の国々を指します。

具体的に、グローバルサウス諸国とは、ASEAN、南西アジア、中央アジア・コーカサス、中東、アフリカ、中南米、太平洋島嶼国等です。対象国の判断に迷う場合は、補助金事務局に相談してください。


経済発展の段階や国際的な影響力に差がありますが、共通して「新しいビジネスや技術協力の機会が期待される地域」として注目されています。

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補助対象となる事業者

この補助金は、企業規模に関係なく、国内の法人・個人事業主が対象となります。

中小企業庁が定める「中小企業」の定義に該当する企業や、大企業も含め、幅広い事業者が応募可能です。

補助対象となる事業

対象となる分野

① GX分野:化石燃料からクリーンなエネルギー利用への転換を図る案件

② DX分野:デジタル技術を用いて、ビジネスモデルの変革を図る案件

例:エネルギー×DX、航空・宇宙×DX、半導体×DX、医療・ヘルスケア×DX、 CE×DX、防災・気候変動×DX、農林水産×DX、交通・物流×DX、都市計画× DX等

③ 経済安保分野:「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律施行令」で指定された「特定重要物資」に係る案件

対象となる事業形態

① FS事業

グローバルサウス諸国において、案件組成段階で事業化の可能性を調査する事業

具体的には、実行可能性、採算性などを調査することを指します。調査・ 検討する内容は、事業の外部要因として政治、法制、規制、 経済、技術動向、自然環境、社会環境といったマクロ環境 と、業界の動向、市場調査、競合状況、財務的可能性 ( IRRを含む)等の個別案件のミクロ環境の調査を含むものとします。

実証事業

実地に適用可能な段階にある技術・システム・制度などを、グローバルサウス諸国において、その有効性や経済性などを確認すること

商用に向けたスケール化を目指す実証です。

事業区分と3つの事業類型

大型実証事業とは

大型実証事業とは、すでに一定程度の技術的な実現可能性が確認されている製品やサービスについて、グローバルサウス諸国の現地環境で実証を行い、その有効性や経済性を検証する事業です。

研究開発段階の取り組みではなく、事業化や商用化を見据えた実践的な実証が求められます。

例えば、

  • 再生可能エネルギー設備の導入実証
  • スマートシティ関連システムの実証
  • デジタル技術を活用した物流効率化実証
  • 医療・ヘルスケア分野の実証事業
  • 重要物資の安定供給に向けた実証事業

などが想定されます。

単に技術を試すだけではなく、現地の課題解決や市場ニーズへの適合性を確認し、将来的な事業展開につなげることが重要なポイントです。

類型1 我が国のイノベーション創出につながる共創型

この類型は、日本企業と現地企業・研究機関・政府機関などが連携し、新たな技術やビジネスモデルの創出を目指す事業を対象としています。

グローバルサウス諸国が抱える社会課題や産業課題に対し、日本企業の技術やノウハウを活用しながら共同で解決策を検討することで、新たなイノベーションの創出を目指します。

現地のニーズや知見を取り込みながら事業を進めるため、日本国内だけでは得られない新たな技術開発や市場開拓につながる可能性があります。

特に、

  • 新技術の共同開発
  • 現地企業との共同実証
  • 研究機関との連携プロジェクト

などが想定されます。

類型2 日本の高度技術海外展開型

この類型は、日本が強みを持つ先端技術や高度な産業技術を海外へ展開することを目的としています。

日本企業が保有する優れた技術やシステムをグローバルサウス諸国へ導入し、現地課題の解決と市場創出を図ることで、日本企業の海外ビジネス拡大を支援します。

対象となる分野は幅広く、

  • GX(グリーントランスフォーメーション)
  • DX(デジタルトランスフォーメーション)
  • インフラ関連技術
  • 医療・ヘルスケア
  • 農業・食品関連技術
  • 防災・気候変動対策

などが考えられます。

日本企業にとっては、実証事業を通じて現地での導入実績を作ることができ、その後の商業化や販路拡大につながることが期待されます。

類型3 サプライチェーン強靱化型

この類型は、重要物資や重要部品の安定供給を確保し、サプライチェーンの強靱化を図ることを目的としています。近年は地政学的リスクや国際情勢の変化により、特定国への依存度が高いサプライチェーンの見直しが重要な経営課題となっています。

そのため本類型では、

  • 調達先の多様化
  • 生産拠点の分散
  • 重要物資の安定確保
  • サプライチェーンの可視化
  • リスク低減のための実証事業

などが対象となります。

特に経済安全保障推進法で指定される「特定重要物資」に関連する事業は注目されており、企業の競争力強化だけでなく、日本全体の経済安全保障にも資する取り組みとして位置付けられています。

グローバルサウス諸国との連携を通じて、安定した供給体制の構築や新たな調達ルートの確保を目指す事業が期待されています。

補助上限額・補助率

補助金額(規模)下限5億円超 〜 上限40億円

補助率:中小企業は2/3以内、その他(大企業など)は1/2以内

補助対象経費

人件費、旅費、会場費、消耗品費など幅広い経費が対象となります。

グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金対象経費の表

土地・建物等施設に関する経費 ・実証場所以外に係る家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費などは対象外です。

2026年公募スケジュール

026年6月5日(金)16:00:公募説明会 申込締め切り
2026年6月頃(現在):公募受付期間(申請書の作成・提出期間)
2026年6月30日(火)公募受付締め切り
2026年8月中旬〜下旬頃(予想):採択結果の公表

圧縮記帳の適用について

この補助金は、圧縮記帳の適用が可能です

圧縮記帳とは、補助金を受け取った際に資産計上する費用を圧縮することで、課税所得を圧縮できる会計処理方法です。
具体的には、補助金交付により取得した設備等の取得価額から補助金額を控除して計上でき、法人税の課税対象を軽減する効果があります。

ただし、圧縮記帳の適用には要件や手続きがありますので、実務上は税理士や会計士と確認しながら進めることが望ましいです。

こちらのコラムで詳しく解説しています
補助金と圧縮記帳|どの補助金なら税負担を減らせる?制度ごとの適用可否を解説

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中小企業補助金はどう変わる?概算要求から見える来年度の方向性―大規模投資補助金はどうなる?

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まとめ

今回の令和8年度概算要求では、「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」が新規事業として計上され、海外展開・国際連携支援の柱のひとつとなる見込みです。

補助金は単なる資金支援ではなく、国際的なネットワークを築くチャンスでもあります。事業計画とパートナー候補の検討を始めておくことが重要です。

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