地方空港を活用した相互交流の促進事業とは?対象事業者・補助対象をわかりやすく解説
2026年度二次公募は終了しました。
本事業は次年度も継続して実施される可能性が非常に高く、予算枠の拡大や、より多様な地域・空港連携施策への支援強化が期待されます。
(更新日:2026年9月14日)
地方空港は単なる交通インフラではなく、地域への観光誘客や交流人口の拡大を支える重要な拠点です。
観光庁では、地方空港を活用した地域間交流やインバウンド需要の創出を促進するため、「地方空港を活用した相互交流の促進事業」の公募を実施しています。
一見すると空港運営会社向けの事業に見えますが、実際には旅行会社、交通事業者、宿泊施設、観光事業者、DMO、広告・マーケティング会社など、多様な事業者が関わることができる内容となっています。
本コラムでは、制度の概要や対象となる取り組み、どのような事業者に活用の可能性があるのかを解説します。
地方空港を活用した相互交流の促進事業とは
地方空港を活用した相互交流の促進事業は、地方空港を起点とした人の流れを創出し、地域間交流や観光需要の拡大を目指す観光庁の公募事業です。
近年、訪日外国人旅行者数は回復傾向にある一方で、訪問先が一部の大都市圏に集中する課題があります。また、日本人の国内旅行需要についても、地方への誘客や地域間交流のさらなる活性化が求められています。
こうした背景を踏まえ、本事業では地方空港を活用しながら、インバウンド(訪日外国人旅行)とアウトバウンド(日本人の海外旅行)双方の交流促進を図り、地域経済の活性化につなげることを目的としています。
補助上限額と補助率
補助率:1/2以内
補助上限額:1事業あたり3,000万円
スケジュールと次年度(令和9年度)の公募見通し
2026年度(令和8年度)スケジュール
- 二次公募 応募申請: 2026年7月24日(金)~8月28日(金)正午
- 採択通知: 2026年9月中旬~9月下旬
次回(令和9年度)の公募見通しとスケジュール予測
本事業は次年度も継続して実施される可能性が非常に高く、例年の傾向から以下のようなスケジュールが予測されます。
- 2027年(令和9年)4月頃: 事務局(執行団体)の公募
- 2027年(令和9年)5月〜6月頃: 事業者(間接補助事業者)の「一次公募」開始
- 2027年(令和9年)7月〜8月頃: 予算の残額に応じた「二次公募」の実施
(※過去の公募実績[観光庁公募情報]などを基にした予測となります)
どのような取り組みが支援されるのか
本事業では、地方空港を活用した交流人口の拡大や地域活性化につながる取組が対象となります。
地方空港を核とした交流計画の策定
地方空港を起点とした広域観光ルートの構築や地域間連携の仕組みづくりなどが対象となります。
例えば、
- 複数地域による観光連携
- 地域資源を活用した周遊ルートの設計
- 空港利用促進に向けた調査・企画
などが考えられます。
周遊旅行商品の造成
地方空港を活用した旅行商品の企画・開発も対象となります。
例えば、
- 地方空港間を結ぶ広域観光ツアー
- 地方都市を巡るモデルコース
- インバウンド向け旅行商品の開発
などが想定されます。
情報発信・プロモーション
地域の魅力を国内外へ発信するための広報活動も重要な対象事業です。
具体的には、
- SNSプロモーション
- 動画コンテンツ制作
- メディア招請事業
などが考えられます。
国際線需要の創出に向けた取組
地方空港の利用促進に向けて、
- 海外市場への情報発信
- 訪日旅行需要の開拓
- 海外旅行会社との連携
といった取組も期待されています。
対象事業者は空港運営会社だけではない
本事業の特徴は、多様な事業者が連携して取り組むことが想定されている点です。
空港運営会社だけでなく、地域経済を支えるさまざまな事業者に活用の可能性があります。
旅行会社
旅行会社は本事業と親和性の高い事業者の一つです。
- 周遊旅行商品の造成
- 訪日旅行商品の企画
- 地方空港を活用した旅行ルートの開発
などで中心的な役割を担うことが考えられます。
交通・インフラ事業者
地方空港と観光地をつなぐ二次交通の整備は重要なテーマです。
例えば、
- 鉄道会社
- バス事業者
- フェリー事業者
- レンタカー事業者
などが連携主体となる可能性があります。
宿泊・観光事業者
観光客の受入体制を担う事業者も重要な対象です。
- ホテル
- 旅館
- 温泉施設
- 体験型観光事業者
- 観光施設
などが想定されます。
DMO・地域団体
地域全体の観光振興を担うDMOや観光協会も活用が期待されます。
地域事業者を取りまとめながら、広域観光ルートの構築やプロモーションを実施するケースが考えられます。
広告・マーケティング事業者
情報発信や集客支援を行う事業者も重要な役割を担います。
例えば、
- 広告代理店
- PR会社
- SNS運営会社
- 動画制作会社
などが連携事業者として参画する可能性があります。
申請できるのは協議会等の連携体制|単独事業者での申請はできない
地方空港を活用した相互交流の促進事業は、旅行会社や宿泊事業者、交通事業者など幅広い事業者が関わることができる制度ですが、個別企業が単独で申請できる事業ではありません。
公募要領では、地方空港を活用した交流促進に取り組むための協議会等を申請主体としており、空港運営会社や自治体、観光関連団体、民間事業者などが連携した体制を構築することが求められています。
そのため、例えばホテルや旅行会社が単独で補助金を申請することはできませんが、地域の協議会やコンソーシアムの構成員として事業に参画することは可能です。
地域連携が事業の前提となる
本事業の目的は、特定企業の販路拡大や集客支援ではなく、地方空港を核とした地域全体の交流促進です。
そのため、「空港利用者を増やす」「地域への観光客を増やす」「複数地域を周遊してもらう」「地域経済への波及効果を生み出す」といった広域的な成果が期待されています。
採択を目指す場合は、自社単独の事業を考えるのではなく、「地域としてどのような交流人口を創出するのか」という視点で連携体制を構築することが重要になります。地方空港を単なる移動手段として捉えるのではなく、地域経済を活性化する拠点として活用する視点が求められています。
活用イメージ|どのような事業が考えられるか
本事業を活用した取組としては、以下のような事例が考えられます。
ケース1
地方空港と地域DMOが連携し、海外旅行者向けの周遊観光ルートを造成する
ケース2
旅行会社と宿泊事業者が連携し、地方空港を活用した広域観光商品を開発する
ケース3
空港、鉄道会社、レンタカー会社が共同で地域周遊パスを企画する
ケース4
自治体や観光協会が海外向けSNSプロモーションを実施する
予算要求から見る「今後の注目ポイント」
観光庁が発表した2027年度(令和9年度)の予算概算要求において、本事業が含まれる「国内交流・アウトバウンド拡大」分野の要求額は、前年度比2.44倍の12億2,000万円と大幅な増額が要求されています。
このことから、来年度は予算枠の拡大や、より多様な地域・空港連携施策への支援強化が期待されます。
次回の公募に向けた事前の計画策定や連携体制(空港管理会社や地方公共団体、DMO等との調整)を、秋〜冬にかけて進めておくことをおすすめします。
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まとめ|地方創生に関わる幅広い事業者に活用の可能性
地方空港を活用した相互交流の促進事業は、空港運営会社だけを対象とした事業ではありません。
旅行会社、交通事業者、宿泊施設、観光事業者、DMO、広告・マーケティング会社など、多様な事業者が連携して取り組むことで、地域への人流創出や観光振興につなげることができます。
今後、地方創生やインバウンド需要の拡大に取り組む事業者にとって、活用を検討したい公募事業の一つといえるでしょう。


