【2026年度公募】NEDO先導研究プログラム/未踏チャレンジとは?脱炭素・GX分野の長期研究を支援する国の研究開発制度
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、国の研究開発支援は「短期成果型」から「超長期視点型」へと広がりつつあります。
その象徴的な制度の1つが、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施する「先導研究プログラム/未踏チャレンジ」です。
本制度は、事業開始から30年先の社会実装を見据え、ハイリスクだが将来のインパクトが大きい技術の“原石”を育てることを目的としています。
2026年度も公募が予定されており、エネルギー・環境分野の研究者や産学連携を検討する組織にとって、注目すべき制度といえるでしょう。
NEDO「先導研究プログラム/未踏チャレンジ」とは
NEDO先導研究プログラムは、脱炭素社会の実現に向け、エネルギー・環境分野における中長期的課題の解決に資する新技術の創出を目的とした研究開発事業です。
国家プロジェクトとしての本格展開以前の段階で、革新性・独創性の高い技術シーズを発掘し、将来的な事業化や国家プロジェクト化につなげる役割を担っています。
本事業の位置づけ|令和8年度 経済産業省概算要求に基づく取組
本プログラムは、令和8年度経済産業省概算要求に計上された「エネルギー・環境分野の中長期的課題解決に資する新技術・先導研究プログラム」として実施されるものです。
概算要求では、
- 2050年カーボンニュートラルの実現
- エネルギー・環境分野における将来の成長産業創出
- 国家プロジェクト化やベンチャー創出につながる研究テーマの育成
といった政策目標が明確に示されています。
このため本事業では、既存技術の延長線上ではなく、不確実性は高いものの、成功した場合の社会的・産業的インパクトが極めて大きい研究開発を重点的に支援する点が特徴です。
なぜ「先導研究」「未踏チャレンジ」が必要なのか
エネルギー・環境分野では、
・短期間で成果が出にくい
・実用化までの道筋が不透明
・民間単独では投資判断が難しい
といった理由から、研究開発が停滞しやすい領域も少なくありません。
本制度では、こうしたハイリスク・ハイインパクト技術に対し、国が主導して研究を後押しする点に特徴があります。
事業の位置づけと長期ビジョン
本事業は、平成26年度から令和9年度(2014年度から2027年度)まで継続して実施されている長期プログラムです。
成果目標としては、
- 国家プロジェクトへ発展する研究テーマの創出
- 革新的クリーンエネルギー技術の国際連携促進
などが掲げられており、単年度で完結しない「育成型」の研究支援といえます。
2つの支援枠組み
先導研究
- 実用化目標:2040年頃
- 技術シーズと社会・産業ニーズを踏まえた研究開発
- 国際共同研究(G20諸国等)も視野に入れる
未踏チャレンジ
- 実用化目標:2050年頃
- 先導研究よりも挑戦的な研究テーマ
- 技術的確実性よりも将来の波及効果を重視
2026年度公募の概要|補助額など
- 公募期間:2026年2月2日~4月1日 正午
- 研究期間:最大4年
- 規模:年2,000万円程度以内/件
- NEDO負担率:100%(委託事業)
※政府予算の成立状況により変更される可能性があります。
対象となる研究テーマ・体制
対象となるのは、
- 30年後の社会実装が期待される革新的技術
- CO₂削減効果が見込まれる研究テーマ
- 研究初期段階で、実用化の見通しがまだ不確実なもの
実施体制は、
- 大学・公的研究機関単独
- 大学等+企業による産学連携
が求められ、企業のみの体制は対象外となっています。
どのような研究者・組織に向いているか
- 脱炭素・GX分野の基礎~応用研究を行う大学研究者
- 長期視点での技術開発を志向する研究機関
- 将来の事業化を見据えた産学連携を検討している企業
短期成果よりも、10年・20年先を見据えた研究テーマを持つ方に適した制度といえるでしょう。
まとめ
本制度は「すぐに事業化する補助金」ではありません。
一方で、将来の国家プロジェクトやベンチャー創出につながる可能性を秘めた、研究者にとっては貴重な長期支援スキームです。
GX・脱炭素分野での研究構想を持つ方は、早い段階から制度の趣旨を理解し、研究テーマの整理を進めておくことが重要です。

