ローカル10,000プロジェクトが拡充へ|上限額引き上げと資金構成・申請スケジュールの考え方

ローカル10,000プロジェクト(地域経済循環創造事業交付金)は、地域の特性を活かした事業の拡大や新たな挑戦を行う際の資金支援制度です。


先日、総務省から2026年度に向けた制度改正の資料が公表され、公費助成の上限額引き上げなど、制度の拡充内容が明らかになりました


本コラムでは、

  • 今回の改正ポイントの整理
  • ローカル10,000プロジェクト特有の「国費・地方費・融資」の関係
  • 締切が分かりにくい申請スケジュール

について解説します。

ローカル10,000プロジェクトとは

ローカル10,000プロジェクトは、地域資源と地域資金を活用した新規事業の立ち上げを支援する制度です。総務省が実施しています。
単なる補助金ではなく、地域金融機関による融資等を組み合わせることが制度の前提となっており、地域経済の循環創出を目的としています

ローカル10,000プロジェクトの基本要件

ローカル10,000プロジェクトは、すべての事業が対象となる制度ではなく、次の要件を満たす事業が対象とされています。

これらの要件については、事業実施計画書の審査において評価が行われます。

ローカル10,000プロジェクトに関する前回のコラム

対象者や対象経費の詳細については、別記事で整理しています。

ローカル10,000プロジェクトで地域ビジネスを加速!

ローカル10,000プロジェクトの資金構成

本制度の資金構成は、大きく次の3つに分かれます。

  • 事業者の自己資金等
  • 地域金融機関による融資等
  • 公費による助成(国費+地方費)→ 補助金(助成金)

公費は国費と地方費で構成され、原則として国費が2分の1、地方費が2分の1とされています。
ただし、地方費については特別交付税措置が講じられるため、自治体の実質的な負担は相対的に抑えられる仕組みとなっています。

令和8年度(2026年度)制度改正のポイント――ローカル10,000プロジェクト

今回公表された資料では、物価高騰の影響を踏まえ、公費助成の上限額が見直されました。
従来、原則2,500万円とされていた公費助成の上限額は、原則3,000万円へ引き上げられます。

この改正は、事業規模の拡大や設備投資額の増加に対応しやすくすることを目的としたものと整理できます。

融資額と公費助成額の関係

ローカル10,000プロジェクトでは、融資額が大きいほど、公費助成の上限額が引き上げられる仕組みが採用されています。
2026年度からは、この「融資/公費」比率に応じた上限額が次のように整理されます。

融資額等と公費助成額の割合
公費助成額の上限額
融資額等が公費助成額の同額以上2倍未満 3,000 万円
融資額等が公費助成額の2倍以上3倍未満 4,000 万円
融資額等が公費助成額の3倍以上4倍未満 5,000 万円
融資額等が公費助成額の4倍以上 5,500 万円

最大で5,500万円まで公費助成が可能となり、比較的大規模な地域事業にも対応できる制度設計となっています

公費助成額・融資額・自己資金はどの順番で決まるのか

ローカル10,000プロジェクトでは、「先に補助金額が決まる」というよりも、事業計画を軸に、段階的に資金構成が固まっていくのが実務上の流れです。
一般的には、次のような順番で検討が進みます。

① 事業内容と事業規模を整理する

最初に行うのは、

  • どのような事業を行うのか
  • 設備投資や初期費用はいくらかかるのか

といった事業計画の整理です。

② 公費助成をどの区分まで活用するかを検討する

次に、事業規模に応じて、

  • 原則上限(3,000万円)で足りるのか
  • 融資を組み合わせて4,000万円・5,000万円の区分を目指すのか

といった、公費助成の目安額を検討します。

この段階で、「どの区分を狙うか」という方向性が決まります。

③ 金融機関と融資額の調整を行う

公費助成の区分が見えてくると、次に重要になるのが融資額です。
ローカル10,000プロジェクトでは、融資額が公費助成額の何倍になるかが重要な判断要素となります

④ 自己資金を含めた資金構成を確定する

最後に、融資と公費助成で不足する部分を自己資金で補い、総事業費としての資金構成を確定します。
自己資金の割合は、事業内容や金融機関の判断によって異なります。

重点支援分野と国費割合の引き上げ――ローカル10,000プロジェクト

特定の分野については、公費のうち国費の割合が引き上げられます。
対象となるのは、

  • 地域脱炭素の推進に関する事業
  • 女性や若者の活躍に関する事業

これらの分野では、国費割合が原則2分の1から4分の3へ引き上げられ、自治体側の財政負担が軽減されます
その結果、自治体としても制度活用を検討しやすくなる点が特徴です。

スケジュール――ローカル10,000プロジェクト

資料には「提出期限は毎月末日」との記載がある一方で、明確な公募期間は示されていません。
これは、ローカル10,000プロジェクトが随時受付・事前相談制の制度であるためです。

実際には、事業者が直接国に申請するのではなく、自治体を通じて事前相談・計画調整を行い、その後に事業実施計画書が提出されます
そのため、締切直前に準備を始めるのではなく、早い段階で自治体へ相談することが前提とされています

まとめ|早期相談が重要な制度

ローカル10,000プロジェクトは、補助金と融資を組み合わせることで、地域経済の循環を目指す制度です。


2026年度からは公費助成の上限額が引き上げられ、より大きな事業にも対応できるようになりました
制度活用を検討する場合は、締切間際ではなく、できるだけ早い段階で自治体に相談することが重要といえるでしょう。

申請サポートの活用も選択肢のひとつ――ローカル10,000プロジェクト

「制度の用語が難しくてよく分からない」「書類作成の時間が取れない」と感じる方は、専門家のサポートを活用することで、申請の確度と効率を高めることができます。

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