【最新5次公募】大規模成長投資補助金概要公開 ― 投資額・賃上げ要件の変更点と100億宣言企業への設計意図

大規模成長投資補助金について、次回公募(5次)の概要が公開されました。
本補助金は、中堅・中小・スタートアップ企業による大規模な設備投資を通じて、労働生産性の向上と持続的な賃上げを実現することを目的とした制度です。


今回公表された5次公募の概要では、投資額要件や賃上げ要件に明確な変更が見られます
とくに、「100億宣言企業」に対する要件緩和が示されており、制度設計上のメッセージがより鮮明になったといえます。
本コラムでは、4次公募との比較を交えながら、5次公募の要件変更のポイントを整理します。

大規模成長投資補助金(5次公募)の概要

大規模成長投資補助金は、中堅・中小・スタートアップ企業を対象に、大規模な設備投資や拠点整備を支援する制度です。

補助上限額・補助率


補助上限額は50億円、補助率は1/3以下で、補助事業期間は最長で2028年12月末までとされています。

対象経費


対象経費には、建物費、機械装置費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費などが含まれ、工場や拠点の新設・増築を伴う投資が想定されています。

解説コラム

最大50億円!大規模成長投資補助金で設備投資・事業拡大を実現

【比較】4次公募から何が変わったのか

主な、要件として2点が設定されていました。

・投資額

・賃上げ要件

この内容が次のように変わっています。

要件比較

投資額要件の引き上げとその意味

5次公募では、投資額要件が20億円以上へと大きく引き上げられました(専門家経費・外注費を除く補助対象経費分)。
一方で、「100億宣言企業」に該当する場合には、15億円以上と要件が緩和されています。


この変更からは、より一層「大規模な投資」を行う事業者に重点化されていることが読み取れます。また、成長意欲の高い企業については、一定の配慮を行う姿勢も示されています。

賃上げ要件の変更点と注意点

賃上げ要件についても変更があります。


5次公募では、補助事業終了後3年間の対象事業に関わる従業員等1人当たりの給与支給総額の年平均上昇率が5.0%以上とされました。
100億宣言企業の場合は、ここでも4.5%以上に緩和されています


また、申請時に掲げた賃上げ目標が未達となった場合、未達成率に応じて補助金の返還を求められる仕組みが明示されています。賃上げ計画の実現可能性は、慎重な検討が必要なことはこれまでと同じです。

100億宣言企業への優遇措置は何を示しているか

投資額・賃上げ要件の双方で緩和措置が設けられている点から、5次公募では「100億宣言企業」を明確に意識した制度設計がなされていることが分かります。


これは単なる優遇というよりも、将来的に中堅企業へと成長することを対外的に示す企業を、政策的に後押しするというメッセージと捉えることができます。
規模拡大と賃上げを同時に実現する企業像を、国が明確に描いている点が特徴です。

企業側が今から意識しておきたいポイント

5次公募を見据える場合、単に投資額を満たすだけでなく、

  • 賃上げを含めた中長期の経営計画
  • 投資による生産性向上や事業拡大の説明
  • 地域への波及効果や成長ストーリー

といった点を、整合的に整理しておくことが重要になります。
とくに、審査では経営力や実現可能性も評価項目とされているため、数字の根拠を含めた準備が欠かせません。

まとめ

大規模成長投資補助金の5次公募では、投資額・賃上げ要件が引き上げられる一方で、100億宣言企業に対する明確な配慮が示されました。


制度全体としては、「より大きな投資」「より確実な賃上げ」を実現する企業を重点的に支援する方向性が強まったといえます。
今後、公募要領の詳細が公表され次第、具体的な申請戦略を検討する必要がありそうです。