2025年補正予算:国債11兆円追加の狙いと企業への影響を解説

2025年11月26日、政府が総合経済対策の財源として 11兆円規模の追加国債を発行する方針 を固めたことが報じられました。
これは昨年度の6.6兆円を大きく上回る規模で、経済対策の財源を国債(借金)に大きく依存する形となります。

本コラムでは、今回のニュースのポイントを整理し、中小企業・個人事業主にどのような影響が見込まれるのか を解説します。

今回のニュースの全体像(まず押さえたい3つのポイント)

2025年11月26日、政府が総合経済対策の裏付けとなる補正予算案において、11兆円規模の追加国債の発行を行う方針であると報じられました。
追加国債の額は、昨年度の6.6兆円から大幅に増加しており、財源の多くを国債でカバーする構造が強まっています。

併せて、高市首相が21日に発表した総合経済対策は総額21.3兆円と過去最大級。そのうち、一般会計からの歳出は17.7兆円(昨年度は13.9兆円)と、コロナ禍以降で最大規模となりました。

補正予算案は11月28日に閣議決定され、12月の国会成立を目指しています。

これらを整理すると、押さえるべきポイントは次の3点です。

参考コラム

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なぜ追加の国債発行が必要になったのか

今回の大型経済対策の背景には、物価高の長期化や、企業の設備投資を後押しする必要性が挙げられます。

家計支援の拡充

減税や各種手当が盛り込まれる見込みで、可処分所得の底上げがテーマ。

中小企業支援の強化

生産性向上投資GX・DX関連投資賃上げに向けた環境整備など、数年単位の政策が重なっているとみられます。

財源不足の長期化

歳出が増える一方、税収は想定を下回る年度も増えており、財政余力が限られるなかで国債発行が増加。

つまり、今回の追加国債は「景気の下支え」「企業・家計支援」を優先するための措置と言えます

21.3兆円の総合経済対策の内容(現時点で分かる範囲)

公表されている主な項目は以下のとおりです。

減税・家計支援

・所得税・住民税の減税

・物価高騰への対応策

・生活支援施策 など

中小企業向け支援

省力化・自動化投資の促進

・賃上げに向けた支援制度

地域経済活性化のための投資支援

成長分野への投資

・デジタル、GX、研究開発支援

・サプライチェーン強化策

・インフラ老朽化対策

今回の「補正予算 × 大型対策」という組み合わせは、年度途中の追加の政策パッケージという性質が強く、企業にとっては新規の補助金・助成金が複数登場する可能性が高いタイミングです。

関連コラム

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補正予算が企業・事業者へ与える影響

今回の追加国債発行と大型経済対策は、企業にとって次のような影響が予想されます。

① 年明け以降に新しい補助金が動き始める

補正予算が成立すると、

  • 中小企業向け設備投資支援
  • 省人化・省力化にかかわる投資補助
  • デジタル化やサプライチェーン対策
    といった分野で新制度が動くことが見込まれます。

② 既存の補助金でも拡充版が登場する可能性

たとえば、ものづくり補助金事業承継・M&A補助金などの大規模枠が設定されるケースも。

③ 資金調達環境の変化

国債発行が増えると、将来的には金利上昇圧力がかかる可能性もあり、投資判断の前倒しを検討する企業も出ると考えられます。

④ 事業計画の見直しが有利に

2026年度の支援制度にも連動するため、

  • 設備投資
  • 人材投資
  • 省力化投資
  • 生産拡大
    などの計画を年内〜年明けに整理しておくと、補助金申請の準備がスムーズになります。

参考コラム

ものづくり補助金解説コラム

事業承継・M&A補助金解説コラム

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まとめ

今回の補正予算は、国債11兆円超の追加発行を伴う大規模な内容です。
財政面の課題は残るものの、足元では「家計支援」「企業投資」を強く後押しする方向性が明確になりました。

補正予算は12月に成立予定で、事業者向けの支援策が実際に動き出すのは年明け以降が中心となります。
いまの段階で、来年度に向けた投資計画や資金繰りを整理しておくことで、支援制度を活用しやすくなります。

引き続き、具体的な制度が公表され次第、最新情報を整理していくことが重要です。

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