補助金申請で差をつける!成長加速マッチングサービス登録の加点力とは
近年、中小企業・小規模事業者が補助金を申請する際、「加点項目」が採択の決め手になるケースが増えています。その中で注目を集めているのが、「成長加速マッチングサービス」への登録です。
本コラムでは、このサービスが補助金審査でどう評価されるのか、実際に活用するためのポイントと注意点を整理します。
成長加速マッチングサービスとは
成長加速マッチングサービスは、中小企業庁が支援する「ミラサポ plus」の一部サービスとして提供されている、中小企業の成長をサポートするオンラインマッチングプラットフォームです。正式には「ミラサポ CONNECT」と呼ばれることもあります。
仕組みと目的
企業側:自社が取り組みたい課題(新事業展開、省力化、IT導入、販路開拓など)を「挑戦課題」として登録します。
支援側:金融機関、商工団体、支援機関、投資家などがその課題を閲覧し、必要な支援や提案を行います。
狙い:単に資金を提供するだけでなく、企業の成長を具体的に後押しする「課題解決型のマッチング」を実現することです。
信頼性の高さ
運営は中小企業庁と、それが委託する公的機関(「ミラサポ/ミラサポ CONNECT」)によって行われています。
国が公式に運営しているサービスのため、補助金の審査加点対象としても認められるケースがあり、情報の正確性・信頼性が高いことが特徴です。
対象補助金と加点の関係
現時点で、成長加速マッチングサービス登録が加点対象となっている主な補助金制度には以下のようなものがあります。補助金ごとに公募要領が異なるので、対象となるかどうか・どの程度の加点かが変わる可能性があるので注意しましょう。
新事業進出補助金
審査要素のひとつとして、「成長加速化マッチングサービス」登録+課題登録をしている事業者に加点。(加点項
目は応募締切日時点で満たしている必要があります)
ものづくり補助金
「成長加速化マッチングサービス」登録+課題登録をしている事業者に加点。(登録されている課題のステータスが「掲載中」となっている課題を確認できた場合のみ加点します)
省力化投資補助金
「成長加速化マッチングサービス」登録+課題登録をしている事業者に加点。(応募締切日時点)
登録の要件・手順とポイント
成長加速マッチングサービス登録にあたっては、以下のステップと注意点があります。
会員登録 : ミラサポ CONNECT 等で企業情報の登録。法人名、所在地、業種、規模、過去の実績など。
課題/ニーズの登録 :「どの分野で支援が欲しいか」「どのような課題を抱えているか」を出来るだけ具体的に記載。たとえば「新商品の販路拡大」「省力化のための設備導入」「ITツールの導入」など。
公募要領の確認 : 対象となる補助金で実際に「登録+課題登録」が加点要件になっているかを、公募要領で最新の文言で確認する。加点が締切日時点で満たされている必要など、タイミングの制約があることも。
内容の質を高める : 登録する課題があいまいだと加点されにくい。具体性、定量・定性の両面、データ・裏づけを入れることで、審査担当者に実践可能な取組と受け取られるよう工夫する。
審査締切直前に登録しても間に合わないことがあります。登録内容が薄いと加点効果が小さいこともあるので注意しましょう。
メリットと限界・リスク
登録だけでは十分でないことが多いです。加点対象となるのは「登録」+「課題の登録」のケースが多く、単にサービスに登録しただけでは加点対象にならないことがあります。
加点が「採択率を決定づけるほど重いか」か、「わずかな差を補うものか」は補助金ごとに異なります。加点があっても他の審査項目(技術力、収益性、実行体制など)が弱ければ採択されない可能性も十分にあることを理解しておきましょう。
登録して放置ではなく、必要に応じて内容を見直すことが重要です。例えば課題が進んだら更新する、新しいニーズが出てきたら追加するなどしましょう。
まとめ:なぜ今、成長マッチングサービス登録が注目されているか
政策的には、中小企業の「挑戦力」 「成長力」を評価する方向に補助金制度がシフトしています。単に設備を買うだけでなく、新規事業・販路開拓・デジタル化など未来志向の取組を行う企業を支援しようという意図が強まっており、成長加速マッチングサービスはその見える化意欲の証明として機能します。
したがって、これから申請を考える企業にとっては、準備コストも低く、効果の見込める制度であると言えます。
関連コラム
【2025年度】新事業進出補助金とは?~中小企業のチャレンジを後押し~