米国進出に欠かせない「FDA申請」とは?―手続きの基本と注意点―

米国市場で食品や化粧品、医薬品、医療機器などを販売するには、FDA(米国食品医薬品局)への申請・登録が必要です。日本企業にとってはなじみのない制度ですが、米国の消費者保護や安全基準に直結するため、適切な対応が求められます。ここでは、FDA申請の概要とポイントを整理します。

ご不明な点やご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせフォームへ

FDAとは?

FDA申請が必要なケースは?

FDA申請や登録が必要になるケースは、大きく分けて以下の製品分野ごとに整理できます。

1.食品・飲料

製造施設の登録:米国内で販売される食品を製造する米国内外の施設は、FDAに登録が必要です。

食品安全計画(FSPCA/HACCP):FSMA(食品安全近代化法)に基づき、輸入食品の安全性を管理する計画を作成する必要があります。

事前通知(Prior Notice):食品を米国に輸送する際、通関前にFDAへ輸送情報を通知する義務があります。

ラベル表示:成分表、賞味期限、アレルゲン情報、栄養成分表示などを英語で表示する必要があります。

2.化粧品

保湿剤やシャンプーのほか、練り歯磨き粉も化粧品に分類されます。

製造施設の登録:化粧品を製造する施設はFDAに登録する必要があります。

製品リスティング:販売する製品ごとにFDAへリスティング(登録)を行う必要があります。

成分表示の遵守:FDAが定める成分表示規則に従い、英語表記でラベルを作成する必要があります。

3.医薬品・医療機器

新規で販売する製品だけでなく、届出・承認済み製品の改良の際にも、FDAへの手続きが必要です。

承認・認可(Approval / Clearance):医薬品や特定の医療機器はFDAの承認や認可が必要です。

製造施設の登録:医薬品や医療機器を製造する施設はFDAに登録する必要があります。

製品リスティング:販売する製品ごとにFDAへリスティング(登録)を行う必要があります。

4.サプリメント(栄養補助食品)

製造施設の登録:食品と同様、製造施設の登録が必要です。

ラベル表示:成分表示や栄養成分を英語で表示する必要があります。

承認不要:サプリメントは医薬品ではないため、事前承認は不要ですが、安全性と正確な表示が求められます。

5.その他の輸入製品

動物用食品、動物用医薬品、特定の生物由来製品などもFDAの規制対象になる場合があります。

FDA申請が必要かどうかのポイント

「FDA申請が必要かどうか」は、製品の種類+販売形態(輸入か現地製造か)で決まります。

特に食品・化粧品は、事前通知・ラベル表示・施設登録の組み合わせで規制されることが多く、医薬品・医療機器は承認・登録・リスティングが必要です。

ご不明な点やご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせフォームへ

申請手続きの流れは?

FDA申請では、次のようなプロセスが典型的です。

申請時に注意すべき点

  • 書類やラベルは細かい規則に準拠する必要があるため、誤記や不備はリスクとなります。
  • 更新や再申請が定期的に発生するため、長期的な管理体制を整えておくことが重要です。
  • 米国特有の制度や法令を理解していないと、輸出や販売が滞る可能性があります。

要注意「FDA認証」って?――存在しない制度

「FDA認証」と言う言葉は商業的に使われることがありますが、正確には存在しない制度です。

FDAは、医療機器の製造施設に対して「登録証明書」を発行していません。また、登録情報を「認証」することもありません。 これらの誤解を招く証明書を販売する企業に対して、FDAは注意喚起を行っています。

FDAの公式ウェブサイトでは、「FDAは医療機器施設に対して登録証明書を発行しない」と明記されています。

▶ FDA公式ウェブサイト

正しい表現とその意味

FDAが行っているのは、製造施設の「登録(Registration)」と製品の「リスティング(Listing)」です。これらは、製品がFDAの規制対象であることを示すものであり、製品の安全性や有効性を保証するものではありません。

したがって、「FDA登録済み」や「FDAリスティング済み」といった表現は、製品がFDAの規制対象であることを示すものであり、必ずしも製品の品質や安全性を保証するものではありません。

「FDA認証」の誤用によるリスク

「FDA認証済み」と謳うことは、消費者に誤解を与える可能性があり、米国の広告規制や法規制に抵触する恐れがあります。FDAは、製品がFDAの規制対象であることを示すために、製造施設の登録や製品のリスティングを行っていますが、これらは製品の品質や安全性を保証するものではありません。

まとめ

FDA申請は単なる手続きではなく、米国市場に参入するための信頼性確保の仕組みです。初めて取り組む場合は複雑に感じられるかもしれませんが、制度の背景を理解し、一つ一つ確実に対応していくことが成功への近道となります。

FDA申請に不慣れな企業は、専門家やサポート機関を活用することも一つの方法です。

当社のFDA申請サポート

当社では、「FDA申請サポート」業務 を開始し、専用ページを公開しました。
サポートの範囲、手続きの流れ、料金について分かりやすくまとめておりますので、米国展開をご検討中の事業者様はぜひお気軽にご相談ください。

FDA申請サポート - 麹町キャピタルマネジメント株式会社

ご不明な点やご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせフォームへ