介護市場への新規参入を後押しする「介護現場のニーズに対応した製品開発支援事業」とは?――東京都助成金
日本の高齢化が進む中、介護市場は今後も成長が見込まれる分野として注目されています。しかし、実際に介護現場で使われる製品やサービスは、開発コストや実証機会の確保が難しく、新規参入のハードルが高いのも事実です。
そうした課題を受け、東京都中小企業振興公社では「介護現場のニーズに対応した製品開発支援事業」を実施しています。本事業は、東京都内の中小企業が介護現場のニーズに基づいて新たな製品・サービスの開発や改良に取り組む際に、費用の一部を助成する制度です。
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介護現場のニーズに対応した製品開発支援事業とは?――介護市場への新規参入を支援
介護現場の実際の声(ニーズ)に基づいた製品やサービスの開発・改良を支援します。東京都と公社が連携して収集したニーズをもとに、現場での有効性が見込まれる開発を後押しすることで、より実用性の高い製品の創出を目指しています。介護従事者のニーズと中小企業の技術力を結び付け、次世代介護機器等の開発を支援することで、中小企業の成長を促進していくことを目的としています。
どんな企業がもらえるの?――介護市場への新規参入する支援制度の対象事業者
・都内に本社または事業所を有する中小企業者等
・都内で実質的な事業活動を行っていること
中小企業者等の定義などは、募集要項をご確認ください。
また、以下のいずれかに該当する事業者となっているので注意が必要です。
① 申請者(法人の場合は、申請事業者の代表者又は従業員)が、2025年7月 16 日開催の「介護現場のニーズに対応した製品開発支援事業・意見交換会」へ参加したこと
② 申請者(法人の場合は、申請事業者の代表者又は従業員)が、2025年7月 16 日開催の「介護現場のニーズに対応した製品開発支援事業・意見交換会」の動画を視聴したこと
※動画は7月中公開予定です。
どんな事業に活用できるの?――介護市場への新規参入する支援制度の要件
以下のもの全て満たす必要があります
① 都内の中小企業者等が行う、介護現場のニーズに対応した次世代介護機器等の開発・改良及び普及であること
② 新たな開発要素、比較優位性の要素があること
③ 市場ニーズに即していること
④ 申請事業者が開発における能力を有していること
⑤ 事業計画と資金計画の整合性、安全性の確保が見込まれること
⑥ 開発に関する情報を公社に開示できること
次世代介護機器等とは?
次の1または2に該当するものをいいます。
- 次世代介護機器
次の2つの要件を満たすもの- 目的要件
日常生活支援における、①移乗支援、②移動支援、③排泄支援、④見守り・コミュニケーション、⑤入浴支援、⑥介護業務支援、⑦機能訓練支援、⑧食事・栄養管理支援、⑨認知症生活支援・認知症ケア支援のいずれかの場面において使用され、介護従事者の負担軽減効果のある介護機器であること。 - 技術的要件
ロボット技術を活用して、従来の機器ではできなかった優位性を発揮する介護機器
- 目的要件
- その他、介護現場のニーズに対応し、介護従事者の負担軽減効果のある介護製品
(多言語同時翻訳装置、介護肌着、介護食器等)
いくらもらえるの?――介護市場への新規参入する支援制度の助成限度額と助成率
助成限度額:2,000万円
助成率:助成対象と認められる経費の2/3以内
どんな経費に活用できるの?――介護市場への新規参入する支援制度の対象経費
新規開発だけでなく、既存製品の改良や開発・改良後の普及(試作品広報)も支援対象となっているのが特徴です。
開発費
- 原材料・副資材費
- 機械装置・工具器具費
- 委託・外注費
- 産業財産権出願・導入費
- 専門家指導費
- 直接人件費
広報費
- 展示会参加費
- 広告費
申請スケジュール
申請前エントリー:2025年5月29日~8月15日
電子申請:2025年7月16日~8月22日
申請にあたっては7月16日の意見交換会への参加が必要です。参加できなかった場合は動画視聴をする必要があります。
まとめ――介護市場の課題解決をビジネスチャンスに
介護市場における製品開発は、現場の課題解決につながる社会的意義の高い取り組みです。とはいえ、現場との接点が少ない企業にとっては、ニーズ把握や実証の機会が得にくいのも事実。
この「介護現場のニーズに対応した製品開発支援事業」は、現場とのマッチング支援も含まれているため、製品の実用化に向けた第一歩として非常に有効です。
介護市場に新たな価値を提供したいとお考えの事業者さまは、ぜひこの制度の活用を検討してみてはいかがでしょうか。